思った事を走り書き2

ジャズが好きです。
高校生の頃、近所のドラム教室に少し通っていました。
そこまで本格的なものではなかったのですが、先生がとても良くて人見知りな僕でも嫌にならずに通う事ができました。
その先生がジャズドラマーであり、先生の勧めでジャズを聴くようになりました。
初めて聴いたのがHerbie HancockのMaden Voyage。
一口にジャズと言っても色々あるわけで、右も左も分からないまま近所のレンタルショップでお勧めされていたものを借りました。
当時僕のジャズのイメージは所謂ハードバップ的なもので、当然4ビート(当時は4ビートなんて言葉は知らず、シンバルがチーンチーンってなってるやつ)だと思っていました。
ところがこのMaden Voyageというアルバムはちょうど4ビートジャズが他のジャンルと混ざり合って、ジャズファンク、フュージョン、今で言うレアグルーヴ的なものへと変わっていく過渡期頃の作品で、僕の想像とはまるで違ったものでした。
新主流派(ニューメインストリーム)なんて呼ばれています。
そんな訳で、なんか思ってたのと違うなぁ、これも一応ジャズなのかなぁ、って感じであまりグッとはきませんでした。
本当は超名盤なのに。
でもそこで、まあいいや、別にジャズ聴く必要なんてないしな、とならずに他の作品も聴いてみようと思いました。偉い。
そこで手に取ったのがBill Evansのベスト盤。本人の意思とは関係なくレコード会社が勝手に作る類のものです。
ベスト盤を選ぶあたりに慎重さが伺えますね。
そしてこのCDが大当たり。
一曲目のYou and the Night and the Musicに一発でやられました。こんなピアノは聴いた事がない。瑞々しくて透明感があって、どうしようもなく漂う夜の匂い。滴り落ちるような音でした。
それに加えてメロディーもいいし(イントロのドラムも素晴らしい)、2曲目のPorgy(I Loves You, Porgy)に続いてWaltz for DebbyからのAutumn Leaves。
もう最高でした。
ジャズ史上最高のピアニストの一人、 Bill Evansの良いとこ取りアルバムなんですから良くないわけがないんですが、とにかくこれでどっぷりとジャズにハマってしまいました。
今でもBill Evansは大好きですし、ピアニストならSonny Clarkも大好きです。
日本人のジャズファン的超ベタベタなチョイスです。ジャズ喫茶全盛期のギラギラした時代であれば鼻で笑われるかもしれません。
多分僕はベタが好きなんだと思います。
umphで曲作りしてても、提案するアレンジは割とベタだと自分でも思います。
難解な曲の多いumphですが、その中でもポップさや取っ付きやすさを残しておきたいんですね。
個性は出しつつも、聴いて素直に楽しめる。そのバランスが大事。
ちなみに近所のドラム教室ですが、先生がジャズドラマーというだけでレッスンは基本的にポップスがメインでした。
その後も様々な理由(ほぼ言い訳)で本格的にジャズを演奏することはありませんでした。
時々個人練で叩く程度で、憧ればかりはあるもののそっと内に秘めっぱなしです。
適当に叩いててもそこそこの雰囲気が出そうな年齢になったり風格?になったら、その時は騙し騙しやってみたいな。
ジャズの1番の魅力は懐の深さだと思います。
僕自身もできるだけ寛容に、懐を深く、スウィングしながら生きていきたいです。
難しいけどね。
のぐち
バーイ